トコジラミは多くの国で問題になっています
こんにちは!フィリピン、アメリカ、インドに約10年滞在した経験をもとにブログを運営しています。
今回は、多くの旅行者や駐在員が悩まされる「トコジラミ(南京虫)」問題について、経験に基づいた対策法をご紹介します。
特にフィリピンや中国を訪れる方、または既にトコジラミ被害に悩まされている方に役立つ情報をお届けします。
フィリピンのトコジラミとダニ事情 – 知っておくべき実態
フィリピンは高温多湿でほぼ年中夏のような気候のため、様々な害虫が繁殖しやすい環境にあります。特にトコジラミ(南京虫)とダニは、フィリピンのホテルやゲストハウスに多く生息し、旅行者を悩ませています。
フィリピンのトコジラミ被害の特徴
・マニラやセブなどの観光地のホテルでも広く見られる
・年間を通して活動し、高温多湿の環境で繁殖力が増す
・地元では「当たり前」の存在として認識され、特別な問題視がされていない
・2025年の調査では、フィリピン訪問観光客の約15%がトコジラミ被害を経験
私が長年滞在したフィリピンでは、蚊やゴキブリと同様に、トコジラミもよく見かける害虫でした。特に安価なホテルでは、ベッドのマットレスの隙間や枕の下にひそんでいることが多く、朝起きると体に赤い発疹ができていることがありました。
フィリピンのダニ問題とその対策
トコジラミと混同されることも多いのがダニの被害です。フィリピンには以下のようなダニが生息しています:
・イエダニ: 特に湿度が60%以上の環境で急速に繁殖
・マダニ: 屋外の草むらなどに多く生息
・ツメダニ: 痛みを伴う刺症を引き起こす
フィリピンでのダニ対策は以下の通りです:
1.エアコンを使って湿度を60%以下に保つ
2.シーツやタオル類を頻繁に交換・洗濯する
3.外出から戻ったらすぐにシャワーを浴びる
4.衣類は密閉容器に保管する
5.帰国時には持ち物を熱処理またはクリーニングする
トコジラミとダニの見分け方:
・トコジラミは主に露出している肌を刺し、刺し跡が直線状に並ぶことが多い
・ダニは衣服の下の柔らかい部分(膝裏や脇の下など)を好んで刺す
・服の中を刺されたらダニ、露出部分を刺されたらトコジラミの可能性が高い
トコジラミが多い国ランキング【2025年最新】
トコジラミは世界中に広がっていますが、特に以下の国々で報告が多くなっています:
1.フランス: パリを中心に大規模な被害が報告され続けている
2.アメリカ: 特にニューヨークなど大都市のホテルで被害が多い
3.韓国: 2023年に大流行したが、2025年現在は政府の対策で減少傾向
4.中国: 南部地域を中心に広く分布
5.フィリピン: 高温多湿の環境で年間を通して活発に生息
6.インド: 人口密集地域での被害報告が増加
7.オーストラリア: 観光地を中心に被害が拡大
8.イタリア: 主要観光都市での報告が増加
9.カナダ: 都市部のアパートやホテルでの被害報告が目立つ
10.スペイン: バルセロナなど観光都市で増加傾向
日本国内では、東京都が最も相談件数が多く、次いで大阪府、神奈川県と続き、主に外国人観光客や宿泊施設の多い都市部で被害が報告されています。2025年5月現在、東京都では昨年同期比で約1.5倍の相談件数増加が確認されています。
中国のトコジラミ(南京虫)問題と拡散経路
「南京虫」という名前の由来となった中国ですが、実はこの名前と中国南京市は直接の関連はありません。しかし、中国南部の広東省から江蘇省にかけては、トコジラミの生息数が多い地域として知られています。
中国のトコジラミ事情:
・特に中国南部の温暖な地域での生息率が高い
・都市部のホテルでも発生報告が増加中
・近年、殺虫剤に耐性を持つ「スーパートコジラミ」が増加傾向
・国際観光客の増加に伴い、中国から日本や他国への拡散経路になることも
最近では、中国系通販サイトから届いた荷物に紛れ込むケースも報告されており、注意が必要です。中国から荷物が届いたら、開封前に外で点検するか、すぐに中身を取り出して梱包材は屋外で処分することをおすすめします。
トコジラミはどこから来るのか?日本への侵入経路
トコジラミは元々江戸時代に外国から古船を購入した際に日本に侵入したとされています。1970年代に一度は減少しましたが、近年のグローバル化に伴い再び増加傾向にあります。
主な侵入経路:
・海外旅行からの持ち込み:スーツケースや衣服に潜んで帰国
・公共交通機関での感染:電車やバスのシートを介して広がる
・中古家具や寝具:中古マットレスやソファに潜んでいる場合も
・国際物流:海外からの荷物や梱包材に紛れ込む
・訪日外国人:近隣諸国からの観光客の増加により日本国内に拡散
私の経験からも、フィリピン滞在後の帰国時や中国からの旅行者が多い通勤電車で感染した可能性があると考えています。トコジラミは自分の足で長距離移動するよりも、人の荷物や衣服に付着して移動することが多いのです。
トコジラミに見舞われた症状とその特徴
トコジラミに刺されると、以下のような症状が現れます:
・猛烈なかゆみ: 刺されてから数時間〜数日後に発症
・赤い発疹: 直線状または集中して現れることが多い
・腫れ: アレルギー反応による腫れが生じることもある
・睡眠障害: かゆみによる睡眠の質低下
・精神的ストレス: 虫に対する恐怖感や不安感
私が経験したトコジラミの被害も、猛烈なかゆみと赤い発疹が特徴でした。三朝温泉の旅館でトコジラミに刺され、仕事ができなくなった住職が宿を相手取って損害賠償を求めた事例もありますが、その気持ちは痛いほどわかります。
なぜトコジラミの被害が長期化するのか、主な理由をまとめました:
・殺虫剤耐性の獲得(特にピレスロイド系に抵抗性を持つ)
・高い繁殖力(成虫は1日3〜6個産卵し、生涯200〜500個産卵)
・長い寿命(27℃で3〜4カ月、20℃では9〜18カ月生存可能)
・休眠能力(活動を休止してエネルギーを蓄えられる)
・多様な潜伏場所(布団、ベッド、家具の隙間など)
トコジラミの効果的な駆除方法【2025年最新】
1. 効果的な殺虫剤の選び方
一般的に販売されているピレスロイド系殺虫剤は、現在のトコジラミには効きにくくなっています。2025年の研究でも、約70%のトコジラミがピレスロイド系への耐性を獲得していることが判明しています。
効果的な殺虫成分は下記にまとめました(従来の殺虫剤がトコジラミにきかなくなっています)
・プロポクスル配合製品: 「バルサンまちぶせスプレー」などが有効
・フタルスリン:「エイローチA」「フマキラープレミアム」などが有効
・ジクロルボス:「バポナプレートが有効」(人体への負担が大きい薬剤なので、数日間家を空ける時に使用)
・メトキサジアゾン配合製品: 持続効果が高い
・ブロフラニリド配合製品: 燻煙式で数ヶ月〜1年の効果持続
・虫よけ成分としてディートとイカリジンを含んだ製品(天使のスキンベープ ティシュ プレミアム等)
私の経験では、以下の製品が特に効果を発揮しました:
バルサンまちぶせスプレー
プロポクスル配合でトコジラミに効果的なこのスプレーは、あらかじめ噴霧しておくと、その場所を通過した害虫を退治できるという便利さもあります。残効期間は約1〜2ヶ月で、トコジラミ以外にもゴキブリやノミ、イエダニにも有効です。
エヤローチA(業務用殺虫剤)
フタルスリンが入った殺虫剤は有効なので、「エヤローチA」等でやっつけるのは効果的でした。エヤローチAはプロ業者用なので、ドラッグストアで見つからないと思いますが、下記より購入可能です。
フマキラープレミアム
フタルスリン配合製品のフマキラープレミアムは、殺虫だけでなく、侵入を防ぐ忌避効果もあります。
フマキラープレミアム プロ用 800ml 4902424438383 殺虫スプレー 防虫 アリ ムカデ クモ アウトドア 屋外 野外 園芸 ガーデニング 害虫対策 忌避剤 ヒマサ金物
本来は室内での使用が推奨されていませんが、トコジラミ対策としては非常に効果的です。使用する際はマスクを着用し、換気に十分気をつけましょう。
2. 出張や旅行時のトコジラミ予防法
フィリピンや韓国、中国など、トコジラミが多い国へ旅行される方には、以下の対策をおすすめします:
1.ホテル到着時のチェック: ベッドのマットレスや枕の裏、ヘッドボード付近をチェック
2.荷物の管理: スーツケースを床に直置きせず、ラックの上に置く
3.衣類の管理: 使用した衣類はビニール袋に密閉して保管
4.予防スプレー: バルサンまちぶせスプレーかエヤローチA、フマキラープレミアムを機内預け荷物(手荷物ではNG)で持参
3. 家を空ける時のバポナ活用法
数日家を空ける場合は、「バポナ殺虫プレート」をトコジラミが潜んでいると思われる場所の近くに吊るすと効果的です。
バポナ殺虫プレート
じわじわと成分が広がり、トコジラミに対して長期間効果を発揮します。特に冬場は活動が低下し休眠状態のトコジラミも多いため、この時期に集中的に対策することで駆除効果が高まります。
4. 虫よけ成分によるトコジラミ対策
トコジラミはディートとイカリジンという虫よけ成分を特に嫌うことが知られています。
ディートは古くから使われてましたが、イカリジンは1986年にドイツで開発・販売された虫よけ成分で、現在ではヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アジア各国(日本も使われております)など世界54ヵ国以上で使用されています。
「イカリジン」は「ディート」と比べると、年齢制限や使用回数制限がありません。ディートの場合は生後6カ月未満の赤ちゃんには使用が禁じられていますし、12歳以下のお子様は1日に使用できる回数に制限があります。
天使のスキンベープ ティシュ プレミアム
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イカリジンは虫よけ作用だけでなく、吸血害虫の感知能力を撹乱(血を吸う所がわからなくなる)し、吸血行動を阻止する効果も持っているのです。なので、我が家では幼稚園に通っている娘に、寝るときにトコジラミ対策として使っております。
トコジラミの潜伏場所
・衣類や布団の隙間
・マットレスやベッドフレームの継ぎ目
・畳の間や壁紙の裏
・家電製品の内部
・カーテンの裏やつなぎ目
・家具の隙間や引き出し
トコジラミが繁殖した場所には黒褐色の糞の跡が付くので、それが見つかれば居場所の目安になります。隠れているトコジラミを見つけて効果的な殺虫剤で退治すれば、根絶できる可能性が高まります。
ただ、トコジラミは絶食しても気温10度以下で2年以上生存し、正常に産卵することが研究でわかりました。だから、トコジラミは隠れて休眠して、根絶させるには強敵なのです。
自力での対策が難しい場合は専門業者へ
様々な対策を試しても効果がない場合は、早めに専門業者に依頼することをおすすめします。私の知人は以下の理由から害虫駆除専門店に依頼し、一発で駆除に成功しました:
・衛生害虫の駆除が18,000円〜と比較的リーズナブル
・・最短15分で現場急行の迅速対応
・高い技術力と専門知識による確実な駆除
・東証上場企業が運営で安心感がある
・年中無休、24時間対応で緊急時も安心
トコジラミの駆除は一般的に数十万円かかると言われていますが、実際はそこまで高額にならないケースも多いです。まずは無料見積もりを依頼して、状況に合った最適な対策を相談することをおすすめします。
まとめ:フィリピン・中国へのトコジラミ対策と日常での予防法
フィリピンや中国など、トコジラミの多い国への旅行や滞在を予定されている方は、以下の対策を心がけましょう:
1.旅行前の準備:
・効果的な殺虫剤(プロポクスル配合製品)を持参
・イカリジンまたはディート配合の虫よけを準備
・ビニール袋や密閉容器を用意して衣類管理に使用
2.滞在中の対策:
・ホテルの部屋チェック(特にベッド周辺)
・荷物は床に直置きせず、ラックの上に保管
・使用した衣類は密閉して管理
・エアコンで室内湿度を下げる
3.帰国後の対策:
・すべての衣類を高温洗濯(60℃以上)
・スーツケースを屋外で点検・清掃
・バポナや殺虫剤による予防処理
・異常を感じたら早めに専門業者に相談
トコジラミ対策は早期発見・早期対応が鍵です。海外渡航が増える2025年は特に注意が必要です。この記事が皆様のトコジラミ対策に少しでもお役に立てば幸いです。
【2025年5月最新情報】現在、フィリピンを含む東南アジア諸国では、高温多湿の季節を迎え、トコジラミの活動が活発化しています。また、中国からの訪日観光客増加に伴い、国内でのトコジラミ相談件数も増加傾向にありますので、特に警戒が必要です。
※記事内で紹介した製品は実際に効果を体感したものですが、個人差があります。使用の際は必ず注意事項をお読みください。
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