フィリピン人が鬱病にならないのはなぜか
約10年フィリピンで暮らし、多くのフィリピン人と関わりましたが、鬱病のフィリピン人は非常に少ないと感じました。
だから、メンタルヘルスの専門家の数は、日本の約30分の一なようです。(心療内科クリニックも非常に少ないと感じました)
今回は、フィリピン人が鬱病にならない理由や特性等を共有できればと思います。
シリアスな場面が苦手
フィリピン人は普段はリラックスしていてジョークをよく言う民族なので、真面目にふるまうのが苦手で、シリアスな場面等では日本人以上に緊張すると思います。
例えば 仕事の面接です。私は 何百人ものフィリピーナと面接で話しましたが、ほとんどのフィリピーナは緊張のせいで、どもりまくっていました。
また、セブ島の病院で働いていた時に多くの営業マン(医薬品の営業)を見かけました。彼らの多くはオフィスに入って来ても緊張やストレスからか、ろくに話もせずに帰っていくフィリピン人営業マンがひじょうに多いのです。早く緊張やストレスから逃げ出したいのでしょうね・・・
こういった場面では “笑顔”や“ジョーク”を使ってごまかせない為、緊張しまくったりオロオロする事が多いように見受けられます。
緊張する場面やストレスから逃げる
思うに、子供時代から何でも親が代わりにやってくれるので(フィリピン人の親は日本人の想像を絶するほど子供を甘やかせます)、本番を経験する機会が少なかったということも関係しているのでしょうね。
緊張する場面やストレスを感じる場面は、たいてい両親が助けてくれたので、そのような場面に出くわすと緊張し力を出せないのは必然でしょうね。
だから、ストレスに直面すれば、日本人とは違って彼等はすぐに逃げ出すので、追い込まれずにすむのです。
努力と忍耐も苦手
あと、努力や耐え忍ぶことに対してもフィリピン人の考え方が違います。
例えば日本で大流行した“おしん”という番組ですが、当然海外でも大ヒットしました。(63カ国で放送され、中国、香港、ベトナム、エジプト、イラン等で大ヒット。イランやアフガニスタンでは最高視聴率が90%以上)
しかし、フィリピンではなぜか不人気で途中打ち切りでした。そうなのです、フィリピン人は耐えることや努力ということは大嫌いで、楽をして成功することを望むので、おしんが全くうけなかったのでした。
忍耐・辛抱・努力・倹約・勤勉という言葉は、フィリピンでは全然美徳にはなりません。
考え方や文化が違うので、辛いことや困難なことに遭遇した時、フィリピン人は頑張らずにすぐに逃げ出します。その結果、欝病等精神疾患のフィリピン人が稀有なのでしょう。
熱中症も少ないフィリピン人
ちなみに、フィリピンで熱中症の患者さんをほとんど見たことはありません。年中夏のフィリピンにもかかわらず。
フィリピン人が熱中症にならない理由は、鬱病にならないのと同じで、熱中症になるまで頑張らないからです。
暑くて疲れた時は体を休め、すぐに水分を摂取します。
頑張らないボクサー
私の友人のボクサー達も熱いとあまり練習しないのです。例えば、AJバナルという天才ボクサー(36勝23KO 2敗1分)がいたのですが、彼はあまり練習が好きではありません。
それでも、普段の試合では簡単にノックアウトで勝つのです。
しかし、世界戦ではそううまくはいかず、相手のラフファイトに嫌気がし、スタミナもなくなったので途中で諦めたような感じで負けちゃいました。
世界戦なのに、頑張らないんですよ。しかも、2回の世界戦を2回とも同じような負け方で・・・ 日本人なら途中で顎が砕けても最後まで戦うのに・・・
鬱病にかかりやすい性格
話は鬱病に戻りますが、一般的に鬱病になりやすい人の性格は下記パターンだと言われております。
メランコリー親和性性格:とても几帳面で、決まった秩序の中で過ごさないと安心できないタイプ。決まった形が乱されたり、臨機応変な対応を求められたりすると、気分が落ち着かなくなる。
執着性性格:真面目で、物事を徹底してやらなければ気が済まないタイプ。責任感が強く、手を抜いたり息を抜いたりせずに、猛烈に物事に取り組む。
上記の傾向のあるフィリピン人は希少価値でなかなかお会いできないでしょうね。私は数えるほどしか会ってないです。
逃げない日本人は鬱病になりやすい
多くの日本人は、責任感が強すぎたり周りからのプレッシャーが強すぎるので逃げる選択肢がなく、また職場での過労やパワハラ(最近も楽天社員が上司のパワハラによって鬱病になり、労災に認定されております)にも耐えるので、鬱病やひきこもりになってしまうのでしょう。
数少ないフィリピン人精神科医師がよく言っていた言葉は、「辛いときは休みなさい」です。
日本は鬱に悩まされている人や不登校の学生が膨大な数と聞いております。フィリピン流をためしてみるのもいいのでは?と感じている今日この頃です。
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