日本はパワハラ大国
職場でのパワーハラスメント(パワハラ)に苦しむ方は少なくありません。厚生労働省の最新調査では、全企業の64.2%が過去3年間にパワハラの相談を受けたと報告しています。
日本、アメリカ、フィリピン、インドで計10年以上の職務経験を持つ私が、各国の比較と共に、パワハラから脱出するための最も効果的な方法である「戦略的な転職」について解説します。
日本のパワハラ実態:2025年最新データ
厚生労働省が令和5年度(2023年)に実施した「職場のハラスメントに関する実態調査」で、日本企業のパワハラ状況が明らかになりました。
・相談件数の増加: 企業の64.2%が過去3年間にパワハラの相談を受けており、これは前回調査より16.0%増加しています
・パワハラ認定率: 相談のうち73.0%がパワハラに該当すると企業側が判断
・労働者の体験率: 労働者の19.3%が過去3年間にパワハラを経験(前回調査より12.1%減少)
・心身への影響: パワハラを受けた労働者の45.9%が「怒りや不満、不安」を感じ、45.4%が「仕事への意欲減退」を経験
特に注目すべきは、対策に積極的に取り組む企業ではパワハラ発生率が15.2%であるのに対し、あまり取り組んでいない企業では35.1%とその差が顕著であることです。
これはパワハラが「企業の体質」に深く関連していることを示唆しています。
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諸外国との比較:なぜ日本はパワハラが多いのか
私は日本、アメリカ、フィリピン、インドで働いた経験から、日本の職場環境の特殊性を肌で感じてきました。
「パワハラ」という言葉自体が和製英語
「パワハラ」や「パワーハラスメント」という言葉は和製英語です。他国では:
・英語圏:「Workplace bullying」「harassment」
・フランス:「moral harassment」
・イギリス:「bullying」
・ドイツ:「mobbing」
と表現されています。
国際比較で見るパワハラ発生率
ISSP(国際比較調査グループ)の調査ではパワハラの発生頻度で日本は第4位とされていますが、実際に各国で働いた経験から言うと、日本のパワハラの深刻さはデータ以上です。
フィリピンでの体験:反撃する勇気
フィリピン・セブ島で約10年働いた私は、興味深い文化の違いを目の当たりにしました。パワハラに対して毅然と立ち向かう人が多いのです。
実際に、日本人上司のパワハラ(過度な細かさや暴言)に対し、フィリピン人スタッフが反撃して上司を殴ったケースもありました。このような「反撃文化」が、パワハラを抑止する一因になっていると感じました。
パワハラの定義と6つの類型
パワハラを正しく理解するためには、厚生労働省が定める明確な定義を知ることが重要です。
パワハラの3要素
職場におけるパワーハラスメントは、以下の3つの要素をすべて満たすものです:
・優越的な関係を背景とした言動:職務上の地位が上位の者、同僚・部下からの集団による言動など
・業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの:明らかに業務上必要のない言動や社会通念上許容されない行為
・労働者の就業環境を害するもの:肉体的・精神的苦痛を与え、恐怖感や就業意欲低下を招く行為
パワハラの6類型
厚生労働省は具体的に以下の6つの類型を示しています:
1.身体的な攻撃:殴打・足蹴り、物を投げつけるなど
2.精神的な攻撃:人格否定、大声での威圧的な叱責、暴言など
3.人間関係からの切り離し:長期間にわたる隔離、集団での無視など
4.過大な要求:過酷な環境での業務命令、十分な研修なしでの業務など
5.過小な要求:意図的に能力を発揮できない単純作業のみを命じるなど
6.個の侵害:私生活の監視、プライバシー情報の暴露など
これらの行為に思い当たる点があれば、あなたはパワハラを受けている可能性が高いです。
パワハラ体質の企業を見分ける10のポイント
転職を考える際には、次の職場がパワハラのない環境かどうかを見極めることが重要です。以下のポイントに注意しましょう:
1.上司と部下のコミュニケーション頻度:コミュニケーション不足の職場はパワハラリスクが2.7倍高い
2.残業や休暇取得の状況:休暇を取りづらい環境はパワハラ発生率が2.2倍
3.業績動向:業績低下中の企業はパワハラリスクが2.2倍高い
4.ハラスメント防止規定の有無:規定がない企業はパワハラ発生率が6.1倍
5.失敗への許容度:失敗を許容しない文化がある企業はパワハラ発生率が3.7倍
6.オフィス環境の整理整頓:散らかったオフィスは乱れた社風の反映
7.社員の態度や表情:面接時の社員の様子や雰囲気に注目
8.女性管理職の比率:女性管理職が多い企業はハラスメントが少ない傾向
9.産休・育休の取得・復職実績:ワークライフバランスの重視度合いを示す
10.中途入社社員の定着率:入社3年以内の離職率をチェック
面接時には、これらのポイントを確認するための質問を準備しておくと良いでしょう。
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パワハラから脱出する最も効率的な方法
パワハラ対策として以下のような方法がありますが、最も確実かつ迅速なのは転職です。
【一般的なパワハラ対策とその限界】
・研修や講習の実施:意識啓発が目的だが、根本解決にはならないことも
・相談窓口の設置:企業規模が小さいと機能しないケースが多い
・労働基準監督署への相談・報告:解決まで時間がかかる
・弁護士への相談:費用と時間がかかり、職場環境は改善しない可能性も
特に中小企業や零細企業では上記のような対策が不十分なことが多く、結果として転職が最も迅速で確実な解決策となります。
「企業がパワハラを生む」という現実
私が多くの企業を訪問した経験から言えるのは、「パワハラは人が生むのではなく、企業が生むもの」という事実です。
例えば、私が以前勤めた大手旅行会社では、パワハラ防止に積極的に取り組み始めてから、パワハラ行為が発覚すれば即座に降格や部署異動などの処分が行われるようになりました。
実際に、部下への叱責が厳しかった先輩がパワハラ認定されて降格し、遠隔地に異動になったケースもあります。
このように、経営者や役職者がパワハラ防止に本気で取り組む企業では、パワハラ気質の人がいてもパワハラは発生しません。つまり、企業文化そのものが重要なのです。
転職活動を成功させるためのステップ
パワハラを理由に転職を決意したら、以下のステップを踏むことで、スムーズに次のステージに進めます。
STEP1:転職前の準備
1.パワハラの証拠を集める:メール、チャットログ、音声データなどを保存
2.就業規則の確認:退職時期や手続きの把握
3.精神的ダメージの評価:必要に応じて医師の診断を受ける(労災申請が可能な場合も)
STEP2:複数の転職エージェントに登録
以下のようなメリットがあるため、複数のエージェントを活用するのがおすすめです:
・無料サポート:履歴書の書き方や面接対策などを無料で受けられる
・非公開求人へのアクセス:一般公開されていない優良求人を紹介してもらえる
・企業文化の内部情報:企業のパワハラ体質などの情報も得られる
・心理的安心感:いつでも転職できるという選択肢があるだけで精神的余裕が生まれる
STEP3:面接での退職理由の伝え方
パワハラが退職理由である場合、面接でどう伝えるかは重要です(転職エージェントを利用する際は、アドバイスを頂けます)
・感情的にならない:客観的な事実のみを簡潔に伝える
・ポジティブな姿勢で:「将来のスキルアップ」「キャリア形成」など前向きな理由も併せて伝える
・学びの要素を強調:困難な経験から何を学んだかを伝える
おすすめの転職支援サービス
パワハラのない企業への転職を成功させるために、以下のサービスがおすすめです:
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まとめ:パワハラからの解放は戦略的転職から
私の10年にわたる国際的な職務経験から言えることは、パワハラは「個人」ではなく「企業文化」が生み出すものだということです。厚生労働省の最新調査でも明らかなように、対策に熱心な企業とそうでない企業では、パワハラ発生率に明確な差があります。
「転職しても同じ」という言葉をよく耳にしますが、それは誤りです。パワハラ防止に取り組む企業は確実に存在し、そうした企業を見極めるポイントもあります。
転職エージェントに登録して、自分に合った企業を探すことは、パワハラから解放される最も効果的な一歩です。転職活動を通じて得られるのは新たな職場だけでなく、心理的安全性と働く喜びを取り戻す機会でもあります。
また、いつでも転職できるという選択肢があるだけで、現在のパワハラ環境にも精神的余裕を持って対処できるようになるでしょう。
パワハラのない健全な職場で、あなたの本来の能力を発揮してください。
この記事は、日本、アメリカ、フィリピン、インドでの10年以上の職務経験を持つ筆者が、パワハラ問題と効果的な対策について解説したものです。厚生労働省の最新統計データ(令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査)に基づいています。

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