フィリピンに約10年滞在していた私ですが、最近になってフィリピン生活が妙に懐かしく感じることがあります。「もうフィリピンはいいかな」と思っていたはずなのに、不思議なものです。
その理由は、フィリピンでの生活が波乱万丈で事件だらけだったから。平和な日本では決して体験できない、スリリングで予測不可能な日々が、今となっては貴重な思い出として心に残っているのです。
この記事では、カモテス島のビーチで実際に起きたトラブルと事件について、当時の状況を詳しくお伝えします。フィリピン旅行を計画している方、特に穴場ビーチへの旅行を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
カモテス島旅行で起きた予想外のトラブル
10年以上前の話ですが、10人近いフィリピン人の友人たちと、セブ島の秘境カモテス諸島へ2泊3日の旅に出かけました。
※カモテス島への旅行の詳細は、別記事「【2025年最新】フィリピンの穴場リゾート・秘境の島カモテスへ!知る人ぞ知る極上ビーチ体験記」をご覧ください。
美しいビーチと手付かずの自然を満喫できる素晴らしい島なのですが、今回の旅ではいくつかのトラブルと事件に見舞われました。フィリピンらしい、予測不可能な展開です。
ジプニーのパンクから始まったハプニング
事の発端は、島内観光中にジプニー(フィリピンの乗合バス)がパンクしたことでした。修理に時間がかかり、島内観光が中止になりそうな雰囲気に。
しかし、フィリピンでは待ち時間も退屈しません。修理中、トラクターを乗り回す若いフィリピン女性や、バイクに7人乗りしている人々(上のアイキャッチ画像)を目撃するなど、日本では絶対に見られない光景を楽しんでいました。

この時点では、まだ笑って楽しめるハプニングでした。しかし、島内観光が終わってビーチに戻ってからは、笑えないトラブルが次々と起こり始めたのです。
フィリピンのビーチで起きた外国人観光客とのトラブル
事件の原因は旅行メンバーの行動
トラブルの原因は、一緒に旅行していたメンバーのMさん(騒がしいフィリピン人姉妹の一人)でした。彼女は男性に対して非常に社交的で、誰にでもフレンドリーに接する性格なのです。
カモテス諸島には日本人や韓国人観光客はほとんどいませんが、欧米人観光客はかなり多く、その中には明らかに現地女性との出会いを目的に来ている人も少なくありませんでした。
外国人男性との誤解からテント襲撃事件へ
Mさんが黒人男性やカナダ人男性たちにフレンドリーに接していたところ、相手が勘違いして本気になってしまったようです。そして、期待を裏切られた黒人男性が激怒し、なんと私たちのテントを襲撃しに来たのです。

うたた寝をしていたところを起こされた私は、不機嫌ながらも冷静に注意すると、その男性はどこかへ去って行きました。しかし、これで終わりではありませんでした。
地元フィリピン人との揉め事|子供への注意が大事件に
iPhoneをめぐるトラブルの始まり
外国人観光客とのトラブルの後、今度は地元のフィリピン人との揉め事が発生しました。
発端は、Mさんがお気に入りのiPhoneを充電している時に、地元の子供がそれを触っていたことでした。Mさんは「これは私のiPhoneだからね」と注意したのですが、iPhoneが宝物のような彼女は、おそらくかなりきつく叱ったのでしょう。
その子供は泣き出してしまい、事態は予想外の方向へ。
親戚のおばさんからの脅迫
すると、傍にいた親戚のおばさんが激怒し、凄まじい剣幕でMさんを罵倒し始めました。そして、こう脅してきたのです。
「ここは私たちの地元だから、どうなるか知らないよ」
日本しか知らない方には大げさに聞こえるかもしれませんが、フィリピンではこうした些細なトラブルから暴力事件に発展することは決して珍しくありません。警察を味方につけている側が有利になることもあり、法治国家の感覚とは異なる現実があります。
Mさんは怯えながら私たちグループに事の顛末を話しましたが、「なんで子供に優しく対処できないんだよ」とメンバー全員から非難されたのは言うまでもありません。
大柄な地元男性の登場|警察沙汰寸前の緊迫した状況
いかつい地元男性が文句を言いに登場
すると、そのタイミングで坊主頭で大柄、いかついフィリピン人男性が文句を言いにやってきたのです。明らかに地元で顔が利く、いわゆる「ヤンキー」のような存在でした。
今だから「面白半分で眺めていた」と言えますが、その時は本当に凄まじい剣幕で、正直かなり怖かったです。
フィリピン人姉妹の猛反撃
しかし、ここで例の騒がしいフィリピン人姉妹が登場。彼女たちはそのヤンキー風の男性に対して、一歩も引かずに猛反撃を開始しました。
※ちなみに、この姉妹は私の妻をさらに5倍ほど凶暴・猛烈・騒々しくした感じの、本当に凄いフィリピン女性なのです。毎日姉妹喧嘩をしており、近所迷惑なレベルです。
姉妹の迫力に押されたのか、形勢が逆転し始めました。そして、周りに野次馬の群衆ができた後、警察が登場。ヤンキー風の男性はひとまず退却しました。
※フィリピンの警察は、日本とは異なり、状況によってはすぐに発砲することもあるため、非常に恐ろしい存在です。
フィリピン旅行のトラブルから学んだこと
現地の文化と慣習を尊重する
今回のトラブルから学んだのは、現地の人々、特に子供や家族に対しては、丁寧で優しい態度が不可欠だということです。特にフィリピンでは、家族を大切にする文化が強く、子供への対応一つで大きなトラブルに発展する可能性があります。
フィリピンの治安事情を理解する
フィリピン、特に観光地ではない地域では:
- 些細なトラブルが暴力事件に発展する可能性がある
- 地元の有力者とのトラブルは避けるべき
- 警察の対応は日本とは大きく異なる
- 外国人観光客との文化的誤解も起こりやすい
現地の言葉が話せる人と旅行する重要性
今回、騒がしいフィリピン人姉妹のおかげで最悪の事態は避けられました。フィリピン語(タガログ語やビサヤ語)が話せる現地の友人と一緒に旅行することで、トラブル時の対応が全く変わってきます。
超格安のフィリピン現地旅行|費用の内訳
トラブル続きのどたばた旅でしたが、フィリピン人スタイルで旅行すれば、費用はほとんどかかりません。今回の旅行費用は以下の通りでした。
2泊3日カモテス島旅行の費用内訳
- セブ~ダナオのジプニー代:P35(約80円)×往復 = P70(約154円)
- 船代(ダナオ~カモテス島):往復約P400(約880円)
- テント宿泊代:1人約P300(約660円)×2泊
- 島内観光ジプニー貸切:1人P150(約330円)
- 食費・観光地入場料:適宜
※当時のレート(1ペソ=約2.2円)で換算しています。
合計で1人約3,000〜4,000円程度で2泊3日の島旅行が楽しめました。確かに「安かろう悪かろう」な部分もありましたが、ツアーでは絶対に経験できない多くのことが体験できました。
フィリピン旅行でのトラブル回避のための注意点
1. 現地の人々への敬意を忘れない
特に子供や家族に対しては、常に丁寧で優しい態度を心がけましょう。些細な言動がトラブルの原因になります。
2. 誤解を招く行動は避ける
特に異性に対して社交的すぎる態度は、文化的誤解を招く可能性があります。フレンドリーさと節度のバランスが重要です。
3. 夜間のビーチでの滞在は慎重に
テント泊は素晴らしい体験ですが、治安面でのリスクもあります。できれば宿泊施設を確保することをおすすめします。
4. 現地の友人と一緒に旅行する
現地の言葉が話せる人がいるだけで、トラブル時の対応が全く変わってきます。可能であれば、信頼できるフィリピン人の友人と一緒に旅行しましょう。
5. 高価な物の取り扱いに注意
iPhoneなどの高価な電子機器は、現地の人々にとって数ヶ月分の給料に相当することもあります。見せびらかすような行動は避けましょう。
まとめ|フィリピン旅行は予測不可能だからこそ面白い
カモテス島での旅行は、外国人観光客とのトラブル、地元民との揉め事、警察沙汰寸前の状況など、波乱万丈でした。しかし、こうした予測不可能な出来事こそが、フィリピン旅行の醍醐味でもあります。
フィリピン滞在中は、こうした事件がしょっちゅう起こっていました。日本では絶対に体験できない刺激的な日々が、今となっては貴重な思い出として心に残っています。
フィリピンの穴場ビーチや秘境を訪れる際は、この記事で紹介したトラブル体験を参考に、安全で楽しい旅行を心がけてください。適度な注意と現地への敬意があれば、きっと素晴らしい旅になるはずです。


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