フィリピン・セブ島で10年以上生活する中で、私は何度も同じ失敗を繰り返してきました。「現地で買えば安いだろう」「高級モールで買えば大丈夫だろう」という甘い考えが、ことごとく裏切られてきたのです。
病院で働き始めた2010年から今日まで、数え切れないほどの商品を購入しては後悔してきた経験があります。日本とフィリピンでは、製品に対する品質基準が根本的に異なるということを、身をもって学びました。
この記事では、フィリピン・セブ島で絶対に買ってはいけない商品10選を実体験をもとに詳しく解説します。留学、移住、長期滞在を予定されている方は、ぜひ最後までお読みください。
フィリピンで買ってはいけないもの10選【完全版】
1. 財布:すぐに穴が開く粗悪品
セブ島の高級ショッピングモール「アヤラモール」で購入したばかりの財布で、やけに小銭が落ちるなと思っていたところ、なんと小銭入れ部分に穴が開いていたのです。
購入してわずか数日での出来事でした。高級モールだから安心と思っていたのが大きな間違いでした。
対策:財布は必ず日本から持参するか、日本ブランドの正規店で購入することを強くおすすめします。
2. 革靴:少し歩いただけでつま先が潰れる
これもアヤラモールで購入した革靴ですが、少し歩いただけでつま先が潰れてしまいました。運良く帰宅途中だったのでなんとか帰れましたが、もう二度と使うことはできませんでした。
おそらく、フィリピンで革靴を履く職業の人はほとんど車移動なので、「歩くのに適していない靴」が主流なのでしょう。
対策:靴類は日本から持参することを強く推奨します。詳しくはこちらの記事で解説しています。
3. Apple製品(iPhone、AirPodsなど):修理に数ヶ月かかる
フィリピンで購入したApple製品は、かなり壊れやすい印象です。さらに問題なのが、修理がフィリピン国外で行われるため、2〜3ヶ月かかるということです。
多くのフィリピン人が、AirPods(ワイヤレスイヤホン)の故障で困っています。AirPodsはただでさえ故障しやすい製品ですが、フィリピン製となるとなおさらです。
ちなみに、Apple製品は日本もフィリピンもほぼ同価格なので、フィリピンで購入するメリットは全くありません。
対策:Apple製品は必ず日本で購入してから渡航しましょう。AppleCare+への加入も必須です。
4. 折りたたみ傘:すぐに骨が折れる・開かなくなる
フィリピンで売られている折りたたみ傘は、絶対に買ってはいけません。理由はシンプルで、すぐに壊れるからです。
雨季のフィリピンでは傘が必須アイテムですが、現地で購入した傘は数回使用しただけで骨が折れたり、開閉機構が壊れたりします。突然のスコールで急いで購入しても、結局1週間も持ちません。
対策:日本から丈夫な折りたたみ傘を持参しましょう。特に、日本の100円ショップの傘でさえ、フィリピン製よりはるかに丈夫です。
5. タオルやハンカチ:吸水性が悪く汗を吸い取らない
フィリピンでもタオルやハンカチは購入できますが、品質が悪く汗を吸い取りにくいという致命的な欠点があります。
高温多湿のフィリピンでは、吸水性の良いタオルが必須です。しかし、現地で購入したタオルは繊維の質が悪く、汗をかいても表面を滑るだけで全く吸収してくれません。
対策:日本の今治タオルやマイクロファイバータオルを複数枚持参することをおすすめします。
6. 歯磨き粉やシャンプー:アレルギー反応に要注意
フィリピンの歯磨き粉やシャンプーで、アレルギー反応が出た日本人女性を何人も見てきました。
フィリピンの日用品は、日本のものとは成分が大きく異なります。特に敏感肌の方は、肌荒れ、かゆみ、湿疹などのトラブルに見舞われることが多いです。
また、フィリピンは硬水なので、日本のシャンプーでも髪がきしむことがありますが、だからといって現地製品が良いわけではありません。
対策:敏感肌の方は、普段使っている歯磨き粉やシャンプーを必ず日本から持参してください。長期滞在の場合は、一時帰国時にまとめ買いするか、家族に送ってもらうことをおすすめします。
7. 安価なコンセントタップ(延長コード):火災の危険性あり
これは特に危険な商品です。安いコンセントタップを使用すると、電化製品が故障することもあれば、タップ自体が溶けて火事になったこともありました。
フィリピンの電圧は220Vで、日本の100Vとは異なります。さらに、安価なコンセントタップは品質管理が甘く、過電流保護機能もありません。実際に、タップが焦げて溶けているのを発見したこともあります。
対策:コンセントタップは、モール内の正規家電ショップ(例:SM Appliance、Abenson、Automatic Centre)で購入してください。価格は高くなりますが、安全性を考えれば安い買い物です。有名ブランド(Omni、3M、Belkinなど)を選びましょう。
8. ボールペンや文房具:インクが出ない・すぐ壊れる
細かいものですが、ボールペンや糊などの文房具もすぐに使い物にならなくなりました。
フィリピンの文房具は、見た目は普通ですが、品質が非常に低いです。ボールペンはインクが出なかったり、途中で止まったりします。消しゴムは全く消えず、紙が汚れるだけです。糊は接着力が弱く、すぐに剥がれます。
対策:在住者の方は必要最低限だけ現地で購入し、短期滞在の方はなるべく日本から持参することをおすすめします。日本の文房具の品質は世界一です。
9. 殺虫スプレー
フィリピン製のスプレーは人間にとって有毒なケースもあります。
2023年に子どもの集団中毒がおこりました。マグインダナオ州の小学校で、近くの農場で散布された殺虫剤の霧を吸い込んだ生徒が集団で体調不良を訴え、100人以上が病院に搬送される事案が発生したのです。
だから、私の妻はフィリピンでスプレーを買わないです。
そうはいっても、フィリピンは南京虫(トコジラミ)やダニ等がホテルのベッドにいたりします。フィリピンのホテルに宿泊される方は、事前に日本で購入して持って行く(飛行機では機内預けにする)ことをおすすめします。
(トコジラミは進化してピレスロイド系の殺虫剤に耐性ができたので、フィリピンに売っている殺虫剤はきかなくなっています)
※プロ業者用なので、ドラッグストアで見つからないと思いますが、下記より購入可能です。
10. 化粧品(特にファンデーションやスキンケア):肌トラブルの原因に
フィリピンの化粧品は、日本人の肌質に合わないことが多く、肌荒れ、ニキビ、色素沈着などのトラブルを引き起こすことがあります。
フィリピンの化粧品は、現地の人々の肌質に合わせて作られています。日本人とフィリピン人では肌質が異なるため、特に美白成分を含む製品には注意が必要です。また、成分表示が不十分な製品も多く、何が入っているか分からないリスクもあります。
対策:化粧品は必ず日本から持参するか、フィリピンにある日本ブランドの正規店(資生堂、KOSEなど)で購入しましょう。SM百貨店などにも日本ブランドのコーナーがあります。
フィリピンで買い物をする際の注意点
高級モールでも油断は禁物
私の失敗談からも分かるように、アヤラモールのような高級ショッピングモールでも、品質の悪い商品は普通に売られています。
高級モールだから安心という先入観は捨てて、一つ一つの商品を慎重に選ぶ必要があります。
日本ブランドでもフィリピン製には要注意
多くのフィリピン人ボクサーが、私が日本に帰国する際に「日本の美津濃(ミズノ)のシューズを買ってきて」と頼んできます。
「セブのアヤラモールで買おうか?」と提案すると、彼らは口を揃えて「No、日本の美津濃でないとダメ」と言うのです。
おそらく、美津濃製でもフィリピンで売られている靴はすぐに潰れるのでしょう。つまり、日本ブランドであっても、フィリピンで販売されているものは品質が異なる可能性が高いということです。
フィリピンで安心して買える商品
逆に、フィリピンで安心して購入できる商品もあります。
- 食品:ドライマンゴー、バナナチップス、カラマンシージュースなど
- 衣類(Tシャツ程度):UNIQLOなどの正規店で購入すれば問題なし
- 飲料水:ミネラルウォーターは問題なし
- 生鮮食品:スーパーマーケットで購入すれば基本的に安全
まとめ:フィリピンでの買い物は慎重に
フィリピン・セブ島で10年以上生活して学んだ最大の教訓は、「安物買いの銭失いを避けるため、重要な商品は日本から持参する」ということです。
特に以下の商品は、絶対にフィリピンで購入しないことをおすすめします。
- 財布(すぐに穴が開く)
- 革靴(少し歩いただけで壊れる)
- Apple製品(修理に数ヶ月かかる)
- 折りたたみ傘(すぐに骨が折れる)
- タオルやハンカチ(吸水性が悪い)
- 歯磨き粉やシャンプー(アレルギーの危険性)
- 安価なコンセントタップ(火災の危険性)
- ボールペンや文房具(すぐ壊れる)
- 殺虫スプレー(有毒の危険性)
- 化粧品(肌トラブルの原因)
高級ショッピングモールでも品質が保証されるわけではなく、日本ブランドでもフィリピン製は品質が異なる可能性があります。
フィリピン留学、移住、長期滞在を予定されている方は、日本から質の高い商品を持参することを強くおすすめします。多少荷物が増えても、現地で何度も買い直す手間とコストを考えれば、十分に価値のある投資です。
安全で快適なフィリピン生活のために、ぜひこの記事を参考にしてください。

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