フィリピンで10年暮らし、フィリピン人妻と生活する私が、実体験から学んだ「絶対にやってはいけないこと」を解説します。
「フィリピン人が嫌がること」を検索されている方は、これからフィリピンに渡航される方、ビジネスでフィリピン人と関わる方、あるいはすでに関係で困っている方だと思います。
結論:フィリピン人が最も嫌がるのは「人前で恥をかかされること」です。これを知らずに行動すると、友人関係が一瞬で崩壊し、最悪の場合は命に関わる危険な状況に発展することもあります。
実際、私自身も軽い注意をしただけで絶交された経験があります。この記事では、10年のフィリピン生活と国際結婚生活から学んだ7つの絶対タブーと、具体的な回避策を詳しく解説します。
【最重要】人前で面子を潰すこと:ヒヤ文化を理解する
フィリピンには「ヒヤ(Hiya)文化」という、面子・恥を極度に重視する独特の価値観があります。人前で注意される、叱られる、批判されることは、フィリピン人にとって人生最大級の屈辱なのです。
【実録】人前での注意が招いた実際の危険事例
事例1:職場でのトラブル
ある日本人管理職が、フィリピン人スタッフのミスを同僚の前で軽く指摘しただけで、そのスタッフはナイフを持って脅してきました。本人は「軽い注意」のつもりでしたが、フィリピン人にとっては「公開処刑」に等しい屈辱だったのです。
事例2:セブ島の病院で目撃した暴力事件
私がセブ島の病院で働いていた時、失敗を人前で叱った日本人が、逆上したフィリピン人に殴られて救急搬送されてきました。フィリピン人は普段は温厚ですが、面子を潰されると人格が変わったように激昂します。
事例3:警官による発砲事件
マニラ市で駐車トラブルから警官とフィリピン人が口論になり、警官が「侮辱された」と感じて発砲した事件がありました。このような事件は、フィリピンでは毎日のようにニュースになっています。
事例4:家族間でも危険(マクタン島の悲劇)
2012年3月、マクタン島で日本人女性が夫のフィリピン人と人前で口論になり、刺される事件が発生しました。相手が家族や恋人であっても、人前での口論は命に関わる危険があります。
なぜここまで激怒するのか?文化的背景の理解
フィリピンの「ヒヤ文化」は、スペイン植民地時代(333年間)とカトリック教の影響を受けて形成されました。
- 「顔(Face)」の喪失:社会的地位や尊厳の象徴である「顔」を失うことは、死に等しい屈辱
- コミュニティ重視:村社会的な文化で、評判が全てを決める
- 感情のコントロール:普段は感情を抑えているため、限界を超えると爆発的に怒る
【私の失敗談】セブ島で絶交された体験
セブ島の語学学校でのことでした。ダンスのアクティビティ中、仲良くしていたフィリピン人の女性教師が練習の輪から度々抜けて、他の生徒とおしゃべりしていました。
私は親しみを込めて「ねえ、真面目にやろうよ」と、他の生徒もいる前で軽く声をかけました。日本では友達同士の普通のやり取りです。
しかし、その瞬間、彼女の表情が凍りつきました。
それまでの明るい笑顔は消え、目に涙を浮かべながら無言で席を立ち、そのまま帰ってしまいました。その後、何度謝罪を試みても、二度と口をきいてくれることはありませんでした。
【正しい対応方法】
- その場では何も言わず、笑顔で接する
- 後で二人きりになった時に、やんわりと伝える
- 「あなたのためを思って」という前置きをする
- 他の人には絶対に言わないことを約束する
宗教への無理解:80%がカトリックの国での禁句
フィリピンはアジアで唯一のカトリック国家で、人口の約80%がカトリック教徒、10%がプロテスタント、南部にはイスラム教徒が約5%います。宗教は生活の全てに浸透しており、軽はずみな発言は絶対NGです。
【実録】妻とのトラブル:安息日の家事問題
私の妻はフィリピン人で、プロテスタントの中でも戒律が厳しい「セブンスデー・アドベンチスト」という宗派です。
金曜日の日没後から土曜日の日没までは「安息日」として、一切の労働が禁止されています。料理も掃除も洗濯も、全てダメです。
交際し始めて2ヶ月目の土曜日の朝、私は何も知らずに「朝ごはん作ってくれる?」と頼みました。
妻は顔色を変えて、「私の信仰を理解していない。神様を冒涜している」と激怒し、3日間口をきいてくれませんでした。私は心から謝罪し、それ以来、金曜夕方から土曜夕方までは私が全ての家事を担当しています。
絶対に避けるべき宗教的タブー
- キリスト教・カトリックの批判や冗談「神様なんていない」「教会は金儲け」などは絶交レベル
- 南部ミンダナオ地域でのイスラム教徒への豚肉の話題:豚肉を食べることは禁忌
- 飲酒の強要:多くの宗派で飲酒は罪とされている
- 日曜ミサへの軽視発言:「ミサなんて行かなくてもいいでしょ」は最悪の侮辱
- 避妊や中絶の話題:カトリックでは重罪
- 離婚への肯定的発言:フィリピンでは離婚が法律で禁止されている
フィリピンの宗教文化を理解するポイント
- 日曜日は必ずミサ:家族全員で教会に行くのが習慣
- 家の中に必ず十字架や聖母マリア像:信仰の象徴
- 食事前の祈り:毎食前に必ず感謝の祈りをする
- クリスマスは9月から:世界最長のクリスマスシーズン(-berの付く月から)
「せこい」「ケチ」と思われる金銭感覚のズレ
フィリピンには「ウタン・ナ・ローブ(Utang na loob)」という、恩義・借りの文化があります。収入の多い人が多めに払うのが当然とされ、細かい金銭計算は「品格がない」と軽蔑されます。
絶対NGな行為
- レストランでの細かすぎる割り勘:「あなたは〇〇円、私は〇〇円」と1円単位で計算
- 明らかな収入差があるのに完全折半:月収30万円の日本人が、月収3万円のフィリピン人と折半を要求
- 招待しておきながら途中で「払って」:「ご馳走するよ」と誘っておいて、後で割り勘を要求
- 小銭をケチる:タクシーで10ペソ(約30円)のお釣りを延々待つ
- 誕生日なのに奢らない:フィリピンでは誕生日の人が全員に奢るのが常識
日本人が知らない「誕生日文化」
フィリピンでは、誕生日を迎えた本人が周囲の人全員に食事を奢るのが常識です。これは「もう一年生きられたことへの感謝」を表す文化で、誕生日の人が何も奢らないと「ケチ」「非常識」と思われます。
【意外な落とし穴】体臭・口臭への異常な敏感さ
日本人が最も驚くタブーの一つが、フィリピン人の匂いへの異常なまでの敏感さです。私も10年の生活で最も気を使ったのが、この体臭・口臭対策でした。
「バホ(Baho)」と思われたら終わり
フィリピンでは、1日に2〜3回シャワーを浴びるのが普通です。高温多湿な気候のため、体臭には特に敏感で、一度「バホ(臭い)」というレッテルを貼られると、その後の人間関係は絶望的になります。
【警告サイン】鼻の下をこする仕草
フィリピン人が人差し指で鼻の下をこする仕草を見たら、それは「あなた臭いですよ」という遠回しなサインです。
私がボクシングジムでトレーニングしていた時、ある日本人が汗だくのまま休憩していたら、周囲のフィリピン人がみんな鼻をこすり始め、最終的にその日本人は誰も近づかなくなりました。
私の体臭・口臭対策【10年の経験から】
私はフィリピンでボクシングをやっていて、毎日大量の汗をかいていました。そのため、体臭対策には人一倍気を使っていました。
必須アイテム:
体臭ケアに効果抜群:アニセ薬用石鹸
この薬用石鹸は、フィリピンの高温多湿な環境での体臭ケアに最適です。殺菌・消臭効果が高く、現地での人間関係を良好に保つために必須のアイテムです。朝晩2回の使用で、一日中清潔を保てます。
さらに強力な対策:アニセワキガ対策クリーム
特に体臭が気になる方や、フィリピン人との密接な関係を築く予定の方には、このワキガ対策クリームを強くおすすめします。一度「バホ」と思われてしまうと、関係修復は非常に困難になります。
フィリピン人の清潔観念を理解する
- 1日2〜3回のシャワーが基本:朝起きた時、帰宅後、寝る前
- 香水文化:多くのフィリピン人は強めの香水を使用
- 歯磨きも頻繁:食後は必ず歯を磨く習慣
- 洗濯も毎日:同じ服を2日続けて着るのはNG
家族への批判は絶対NG:フィリピン最強の価値観
フィリピン人にとって家族は神様の次に大切な存在です。日本人の家族観とは比較にならないほど、家族の絆が強い国です。
【実録】妻の送金事情:給料の半分を家族へ
私の妻は日本でアルバイトをしていますが、月収の約50%をフィリピンの家族に送金しています。最初は「そんなに?」と驚きましたが、これはフィリピンでは極めて普通のことです。
むしろ、海外で働いているのに家族に送金しないフィリピン人は「薄情者」「家族を見捨てた」と親族から批判されます。
絶対に言ってはいけない言葉
- 「送金しすぎじゃない?」:家族への愛情を否定する最悪の発言
- 「あなたの家族は依存してる」:フィリピンでは家族の相互扶助が当然
- 「自分のお金くらい自由に使えば?」:個人主義的な考えは理解されない
- 「親なんだから自分で何とかすべき」:親孝行は最重要の義務
フィリピンの家族文化を理解するポイント
- 家族が病気なら仕事を休むのは当然:日本のように「会社優先」ではない
- 親族が数十人規模:いとこ、はとこまで「家族」として密接な関係
- 子供は親の老後の保険:年金制度が未発達なため、子供が親を扶養
- 稼いだ人が家族を養う:成功した一人が親族全員を支えることも
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【危険】やってはいけないジェスチャー:知らないと命に関わる
フィリピンには、日本では問題ないジェスチャーでも、重大な侮辱や挑発と受け取られる動作があります。
危険度:★★★(命に関わる可能性)
1. 子供の頭を叩く・なでる
フィリピンでは「頭には神が宿る」と信じられており、他人が子供の頭を触ることは最大のタブーです。日本人は可愛さから子供の頭をなでることがありますが、フィリピンでは激怒されます。実際に、日本人観光客が子供の頭をなでて親から殴られた事例もあります。
2. 人差し指で人を指差す
人差し指で人を指すことは、「お前は犬だ」という侮辱を意味します。フィリピンでは犬を指差しで指図するため、人間に対して同じ行為をすると「犬扱いしている」と受け取られます。人を示す時は、唇を尖らせて方向を示すか、手のひら全体を使います。
3. 親指と人差し指でのOKサイン
日本では「OK」を意味するこのサインですが、フィリピンでは「お金」を意味し、「金目当てだろ」という侮辱になります。特にレストランで会計を求める時に使うと、店員を侮辱することになります。
危険度:★★☆(関係悪化の可能性)
4. 手のひらを下にして「おいで」のジェスチャー
日本式の「おいでおいで」は、フィリピンでは犬を呼ぶ時の仕草と全く同じです。人を呼ぶ時は、手のひらを下にして指全体を動かします。
5. 腰に手を当てて話す
腰に両手を当てて話す姿勢は、フィリピンでは「喧嘩を売っている」攻撃的な姿勢と見なされます。特に口論の際にこの姿勢をとると、物理的な暴力に発展する可能性があります。
6. 足で物を指す・動かす
足は体の中で最も「汚い」部位とされ、足で物や人を指すことは重大な侮辱です。床に落ちた物を足で拾い上げる、足で扉を閉めるなども避けるべきです。
フィリピンで使える正しいジェスチャー
- 人を呼ぶ時:手のひらを下に向けて、指全体を手前に動かす
- 方向を示す時:唇を尖らせて方向を示す、または手のひら全体で示す
- 同意を示す時:うなずく、または「Oo(ウォ)」と言う
- 否定を示す時:眉を上げる独特の表情(眉を上げることが「No」の意味)
時間にルーズすぎる?「フィリピンタイム」の理解
フィリピンには「フィリピンタイム(Filipino Time)」という言葉があり、約束の時間に1〜2時間遅れるのは日常茶飯事です。
なぜ時間を守らないのか?
- 交通渋滞が深刻:マニラの渋滞は世界最悪レベル
- 「関係性」が時間より重要:途中で知人に会ったら長話するのが礼儀
- 「今を楽しむ」文化:将来の予定より、今の楽しみを優先
- 時間厳守は「余裕がない」:むしろゆったり構えるのが美徳
NG対応:時間の遅れを強く批判する
「なんで遅れるんだ!」と怒鳴りつけることは、フィリピンでは「心が狭い」「器が小さい」と見なされます。むしろ怒った方が「この人とは付き合いたくない」と思われてしまいます。
正しい対応方法
- 約束時間の1時間後を想定:あらかじめ余裕を持つ
- 「急ぎません、ゆっくりで大丈夫」と伝える
- 待ち時間を楽しむ:カフェで待つ、スマホで時間を潰す
- 本当に厳守が必要な時:「本当に本当に、この時間でお願い」と何度も念押し
フィリピン人に嫌われないための7つの実践的対策
1. コミュニケーションの黄金ルール
- 注意や指摘は必ず1対1で、優しく伝える
- 褒めてから指摘する:サンドイッチ話法(褒める→指摘→褒める)
- 「あなたのため」を強調:批判ではなく応援していることを示す
- 笑顔を絶やさない:深刻な顔は避ける
2. 宗教・家族の話題は最大限の配慮を
- 日曜日のミサを尊重:予定を入れない
- 家族の送金を当然と受け入れる
- 宗教的価値観に口出ししない
- 家族の悪口は絶対に言わない
3. 体臭・口臭対策は日本の2倍徹底する
- 1日2回以上のシャワー
- 制汗剤・デオドラントの常用
- 食後の歯磨き習慣
- 洗濯した清潔な服を着る
4. 金銭感覚:「ケチ」と思われない振る舞い
- 収入差がある場合は多めに払う
- 小銭のお釣りにこだわらない
- 誕生日は自分が奢る
- チップ文化を尊重する
5. ジェスチャーに細心の注意
- 子供の頭を触らない
- 指差しをしない
- OKサインを使わない
- 足で物を動かさない
6. 時間にはおおらかな心を持つ
- 1時間の遅刻は想定内
- 怒らず、笑顔で待つ
- 余裕を持ったスケジュール
7. フィリピン文化を学び続ける姿勢
フィリピン人パートナーを探している方や、現地での人脈作りを考えている方は、まず文化的な理解を深めることが最も重要です。
フィリピン人との出会いを求める方へ:
真剣にフィリピン人との交際や結婚を考えている方には、実績のあるマッチングサイトをおすすめします。ただし、この記事で説明した7つのタブーを完全に理解してからアプローチすることが、良好な関係を築く絶対条件です。
まとめ:フィリピン人との良好な関係を築くための最終チェックリスト
フィリピン人が嫌がることの多くは、日本人の「常識」とは大きく異なります。しかし、これらの文化的違いを理解し、心から尊重する姿勢があれば、フィリピン人は世界で最も温かく、親切で、家族のように接してくれる民族です。
【絶対に避けるべき7つのタブー】最終確認
- 人前での注意・叱責・口論 → 必ず1対1で、優しく伝える
- 宗教への批判や軽視 → 完全に尊重し、口出ししない
- 体臭・口臭の放置 → 日本の2倍のケアを徹底
- 家族への批判や送金への口出し → 家族思いを尊重する
- ケチな金銭感覚 → 収入差に応じた支払いを
- 危険なジェスチャー → 頭を触らない、指差ししない、OKサイン使わない
- 時間厳守の強要 → おおらかな心で待つ
私からのメッセージ
私は10年間のフィリピン生活と、現在進行形の国際結婚生活を通して、これらの文化的違いを時には痛い失敗を経験しながら学びました。
最初は「なぜこんなことで怒るの?」「理解できない」と戸惑うことばかりでした。しかし、相手の文化的背景を学び、心から尊重する姿勢を持つことで、今では妻の家族全員から家族として受け入れられ、素晴らしい人間関係を築けています。
フィリピンでの生活や、フィリピン人との人間関係で困ったことがあれば、まずは「日本の常識」を一度脇に置いて、相手の文化的背景を理解することから始めてみてください。
そして、特に重要なのが体臭ケアなどの基本的な準備を怠らないことです。どんなに文化を理解していても、「バホ」と思われてしまったら、全てが台無しになってしまいます。
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