アメリカやフィリピン・セブ島で10年以上生活してきた私が、実際に体験したフィリピンと日本の文化・生活の違いを詳しくご紹介します。これからフィリピン移住や旅行を考えている方、フィリピン文化に興味のある方必見の内容です。
1. 日常生活における驚きの違い
レストラン・サービス業界の実態
フィリピンのレストランでは、日本では考えられないことが日常茶飯事です。
日本:店員は的確で、オーダーミスはほとんどありません
フィリピン:店員が注文した皿をテーブル上にひっくり返したり、オーダー間違いが頻発します
私がセブ島で生活していた10年間、レジでの計算間違いも非常に多く、フィリピン人でさえレシートを必ず確認してから支払いをしています。日本人の「お客様は神様」という概念は通用せず、むしろ「売ってあげている」という態度を感じることが多々ありました。
「ワラ(Wala)」という魔法の言葉
フィリピンで最もよく聞く現地語が「ワラ(ない)」です。毎朝カフェラッテを買いに行っても「ワラ」、本屋で探している本について尋ねても「ワラ」。しかし、自分で探すとあることが多いのです。これは店員が商品の場所を把握していない、もしくは面倒だからという理由が大半です。
「ワラ」と同様によく聞くのが「オグマ(明日)」と「ワラパ(まだ)」。例えば、「・・さん、・・をやっといてね」「オグマ」w または、「(頼んでいた事を確認する時)もう終わったですか?」「ワラパ」といったように、連発されます。
この3つの言葉に、フィリピン生活の複雑さが凝縮されています。
2. 機械・インフラの故障文化
フィリピンでは機械の故障が日常的で、期待が裏切られることが多々あります。
ジョリビー(ファーストフード店)では、いつ行ってもコーヒー・フロートのマシーンが故障していて、結局1度も買えませんでした。「いつ直るの?」と尋ねても、きちんとした回答は返ってきません。
銀行のATMもよく故障し、クレジットカードを吸い込んだり、紙幣がなくてキャッシングできないことも頻繁にあります。日本なら即座にメンテナンスされますが、フィリピンでは「たぶん明日」という無責任な回答しか得られません。
3. フィリピン人の価値観・行動パターン
恋人最優先の文化
フィリピン人の価値観で最も印象的なのは「恋人最優先」の考え方です。病院の付き添いでも仕事を休んで来ますし、出張についてくることもあります。マニラ出張時、セブ支店の女性スタッフのボーイフレンドも一緒についてきたことがありました。結局、ボーイフレンドは何をしにマニラへ行ったのか理解できませんでした。
フィリピン人の優先順位は:1.恋人・夫婦、2.家族、3.宗教、4.趣味…仕事は最後の方です。だから、フィリピン人はいつもハッピーなのでしょう。
宗教は仕事より優先順位が上
前述しましたが、フィリピンでは宗教は仕事より優先順位が上なのです。例えば、私が働いていた病院では ある時間に館内放送からキリストの聖書の朗読が流れ、その時はドクターや病院スタッフは、仕事を中断して身動きせずにその放送を聞きます。その時間は1分ほどでしたが、最初は驚きました。
ヒヤとバハラナ
ヒヤ
フィリピン人はメンツを重んじる文化があり、人前で恥をかくことを非常に嫌います。だから、他人にも恥をかかせないように配慮します。
例えば、何か誘った時もフィリピンは行けない時でも、断りません。断ると、相手の顔を潰すからです。しかし、行けないのに断らない方が迷惑なのですが・・
バハラナ
私の嫁は、よく「バハラ ナ」と言っていました。「何とかなる」や「運に任せる」という意味なのですが、フィリピン人は基本、楽観的なのです。このように、最終的には運命に身を委ねるという考え方なので、努力はしない傾向があります。
日本人と正反対の16の特徴
10年間の観察で発見したフィリピン人の特徴をご紹介します:
- 割り勘文化なし:お金を持っている側が支払う
- 借金は返さない:貸したお金は戻ってこないと思うべき
- 食べ残し文化:きっちり注文するのはせこいと思われる
- 時間にルーズ:正確な時計がないため守れない
- 店員の知識ゼロ:商品について尋ねても知らないケースが多い
- 計画性なし:期限を守らない
- 言い訳文化:「自分のせいじゃない」が口癖
- 怒られ慣れていない:過保護に育てられるため
4. フィリピン生活の良い面
ゆるい社会の魅力
フィリピンの良い面は「ゆるさ」です。車検がゆるいため、助手席のドアのないジプニーも走っています。時間に遅れてもストレスを感じません。日本なら「遅れる!」と焦りますが、セブなら遅れても問題なし。スタート時間も遅れるので、結局間に合うことが多いのです。
子育てしやすい環境
フィリピン社会は子供に寛容で、子育てがしやすい環境です。日本なら電車で子供が泣けば居心地が悪いですが、セブのジプニーでは誰も注意しません。周りのフィリピン人がみんなであやしてくれます。
娘が1歳の時、モールで歩き回ったり泣いたりしていましたが、嫌な顔をするフィリピン人は皆無で、みんなあやしに来てくれました。行きつけの喫茶店でも、店員さんやお客さんがいつも一緒に遊んでくれます。
日本とフィリピンの運転手比較
日本の運転手は窮屈すぎて可哀そうだと感じます。電車で鼻歌が流れただけで謝罪、バス運転手がサービスエリアで食事しているだけでクレーム。
一方、フィリピンのドライバーは自由奔放です:
- 運転中に喫煙
- 乗客を乗せたままガソリンスタンドで給油
- 途中で止めて立ち小便
- 助手席に恋人や家族を乗せて運転
- ジプニーの運転手では、可愛い女性しか助手席に乗せない運転手もいる
5. フィリピンの諺・文化的特徴
フィリピンには独特の諺があります:
- 結婚式の日に雨が降れば、新婚夫婦に幸運が訪れる(幸運が天から降り注ぐ)
- 夜に掃除をすれば、幸運が逃げる(幸運も外へ逃げるため)
- 魚を片面食べ終わってもひっくり返してはダメ(船が転覆するから)
- 真実は痛い(本当のことは聞きたくない)
これらの諺は、フィリピン文化の本質を表しています。
6. 計画通りにいかないフィリピン
フィリピンでは何もかもが遅延します。私が日本から荷物をセブに送った時は、届いたのは半年後でした。
入国管理局でビザ延長→銀行→買い物という計画を立てても、まず入国管理局で計画が崩れます。やる気のない係員がもたもた仕事をし、12時になると昼休みで外国人は13時まで放置されます。
レストランでも日本のように段階的に注文することはできません。料理がいつ来るか分からないため、最初に全てを注文する必要があります。忘れ去られることもあり、本当にいつ料理が来るか分からないのです。
7. プライバシーが無い
フィリピーナ達と話をした時に感じるのは、フィリピン人達にはプライバシーがないのか? と感じるほど、彼女達は様々な事を教えてくれます。私は他人のプライベートは興味がないので、あまり聞きたくはないのですが、詳細を教えてくれるのです。というのも、フィリピンは「ショアする文化」があり、噂話までもが共有するのが大事なようですね。だから、フィリピーナとお付き合いをしてしている日本人男性は注意が必要なのです。
噂に尾ひれ背びれがついて、熾烈な妬み・恨み・嫉妬等が渦巻くことになることが多々ありますので、噂話には用心してください。私は、噂話でどんどん自分が悪者にされていったことがありました。(事実を勝手に捻じ曲げられたのです)フィリピンでは必要以上に発言しないのがいいかもしれないと感じました。
まとめ:フィリピン文化を理解して付き合う方法
フィリピンと日本の文化的違いは想像以上に大きいものです。しかし、これらの違いを理解して受け入れれば、フィリピンでの生活や旅行をより楽しむことができます。
フィリピンで成功するポイント:
- 完璧さを求めない
- 時間に余裕を持つ
- 計画通りにいかないことを前提とする
- フィリピン人の価値観を理解する
- 「ゆるさ」を楽しむ
10年間の海外生活で学んだのは、その国の文化を理解し、現地の人々をリスペクトすることの重要性です。違いを受け入れることで、より豊かな海外体験ができるでしょう。
これからフィリピンを訪れる方、移住を考えている方は、ぜひこれらの文化的違いを理解した上で、フィリピンライフを楽しんでください。
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