皆さん、こんにちは。私は2010年にセブ島でジャパニーズヘルプデスクを立ち上げ、現地の医療機関で長年働いてきました。
ジャパニーズヘルプデスクとは、フィリピンやインドを中心とした海外の病院で、日本人や韓国人が安心して診療を受けられるようサポートする会社です。
セブ島での医療従事者としての経験から、今回は「致死率100%の狂犬病」について、2025年最新の情報と実際の対処法をお伝えします。
2024年に426人が死亡!フィリピンの狂犬病事情がさらに深刻化
2024年のフィリピン保健省の統計によると、年間で426人が狂犬病により死亡し、そのうち45%はペットが感染源でした。これは2020年の約300人から大幅に増加しており、フィリピンでは平均して1日1件以上の狂犬病感染が発生している計算になります。
フィリピンの狂犬病統計(2024年最新)
• 年間死亡者数:426人(前年比約20%増)
• ペットからの感染:45%
• 野良犬からの感染:55%
• 予防接種済みの犬:わずか15%
• 野良犬の推定数:約300万頭
私がセブ島で働いていた際、「可愛い犬だ」と手を差し伸べて噛まれる日本人観光客を数多く見てきました。これらの統計は、フィリピン滞在がいかにリスクの高いものかを物語っています。
なぜ狂犬病は「致死率100%」と言われるのか
狂犬病は一度発症すると致死率がほぼ100%という恐ろしい病気です。新型コロナウイルスの致死率が約2%、季節性インフルエンザが0.1%未満であることを考えると、その恐ろしさがよく分かります。
世界の狂犬病発症国ランキング(2024年)
1. インド(世界最多)
2. 中国
3. フィリピン
狂犬病の症状と進行過程
潜伏期間:通常1~3ヶ月(長い場合は1~2年)
初期症状(前駆期)
• 発熱、頭痛、倦怠感
• 筋肉痛、疲労感
• 噛まれた部位の痛みや知覚異常
• 食欲不振、吐き気
急性期症状
• 興奮状態、不安、錯乱
• 幻覚、攻撃的行動
• 恐水症(水を怖がる特徴的症状)
• 恐風症(風を怖がる)
• 最終的に昏睡→呼吸停止
セブ島で犬に噛まれた時の緊急対応手順【2025年版】
私がセブ島の医療機関で実際に治療に携わった経験から、生死を分ける72時間以内の対応手順をご紹介します。
Step 1: 応急処置(受傷直後)
• 傷口を流水で15分以上洗浄
• 石鹸で徹底的に洗う
• 70%アルコールまたはヨウ素で消毒
• 止血処置
Step 2: 保険会社への連絡
海外旅行保険に加入している場合は、まず保険会社に電話してキャッシュレス診療を利用したい旨を伝えましょう。
年会費永年無料の楽天カードなら、利用付帯の海外旅行保険でキャッシュレス診療が可能で非常に便利です。
Step 3: ジャパニーズヘルプデスクに連絡
電話番号:032-318-6507(日本語対応)
日本語で医療サポートを受けられるため、言語の心配がありません。緊急時の通訳や医療機関への連絡を代行してもらえます。
Step 4: セブ・ドクターズホスピタルへ
狂犬病は発症すれば100%死に至る危険な病気なので、信頼できるドクターが多いセブ・ドクターズホスピタルをおすすめします。私はドクターとの契約にも携わりましたので、数えきれない数のドクターを見てきました。フィリピンのドクターは日本とは違って、ドクターのレベルにばらつきがかなりありますが、セブ・ドクターズホスピタルのドクターが最も信頼できると感じています。
Step 5: 病院内のジャパニーズヘルプデスクへ
病院に到着したら、まずジャパニーズヘルプデスクに向かってください。日本語での診療サポートを受けることができます。
暴露後ワクチン(PEP)の接種スケジュール
時間との勝負となる狂犬病治療では、以下のスケジュールでワクチン接種を行います。
事前予防接種なしの場合(一般的なケース)
• 0日目(噛まれた日):1回目接種
• 3日目:2回目接種
• 7日目:3回目接種
• 14日目:4回目接種
• 28日目:5回目接種
重篤な咬傷の場合
免疫グロブリンも同時に投与します。
治療費と海外旅行保険の重要性
フィリピンでの狂犬病治療費(2025年現在)
• ワクチン1回あたり:3,000~5,000ペソ(約7,000~12,000円)
• 5回接種の場合:総額35,000~60,000円
• 免疫グロブリン:追加で20,000~30,000円
この高額な治療費に備えるため、海外旅行保険の加入は必須です。
楽天カードの海外旅行保険がおすすめな理由
楽天カード海外旅行保険の補償内容
• 年会費:永年無料
• 傷害治療費用:最高200万円
• 疾病治療費用:最高200万円
• 賠償責任:最高3,000万円
• 携行品損害:最高20万円
• 救援者費用:最高200万円
狂犬病治療における楽天カードのメリット
• 暴露後のワクチン接種費用がカバー対象
• 帰国後の継続治療も180日間補償
• 24時間365日の緊急時サポート
• キャッシュレス診療サービス(提携病院)
実際の狂犬病発症事例
2020年:日本で報告された事例
フィリピンから来日した30代男性が2019年9月頃に現地で犬に噛まれ、来日後に発症して死亡しました。足首の痛みや腹痛、嘔吐、恐水症状を訴え、豊橋市の医療機関で狂犬病が確認されましたが、手の施しようがない状態でした。
2023年:カナダ人男性の事例
フィリピン・バタンガス州で犬に噛まれたカナダ人男性が、適切な治療を受けずに帰国後発症。この事例は2025年現在も各国の渡航情報に影響を与えています。
私が治療に携わった数十名の日本人患者様は、迅速な対応により全員が発症を免れています。早期対応の重要性を物語る事例です。
セブ島での狂犬病予防策
基本的な予防策
• 野良犬に近づかない(10メートル以上の距離を保つ)
• 犬を触らない、餌をあげない
• 短パンやサンダル着用を避ける
• 長ズボンや閉じた靴を着用
• 夜間の外出時は特に注意(狂犬病の犬は夜間活発)
セブ島のリスクエリア
• 観光地周辺の野良犬
• 地方の農村部
• 夜市や屋台周辺
• ビーチエリアの野良犬
その他のセブ島健康リスク
狂犬病以外にも、セブ島には以下の健康リスクがあります:
デング熱
• 蚊媒介感染症
• 年間を通して感染リスクあり
• 症状:高熱、頭痛、筋肉痛
腸チフス・A型肝炎
• 水・食品由来の感染症
• 生水や氷に注意
• 屋台料理のリスク
セブ島渡航前チェックリスト
保険・金融関連
☑ 年会費永年無料の楽天カード申し込み
☑ 海外旅行保険の補償内容確認
☑ 狂犬病治療費の補償範囲確認
☑ 緊急時の連絡先確認(032-318-6507)
服装・持ち物
☑ 長ズボン・長袖シャツ
☑ 閉じた靴(スニーカー推奨)
☑ 虫除けスプレー
☑ 消毒液・救急セット
情報収集
☑ 最新の狂犬病発生状況確認
☑ 外務省渡航情報チェック
☑ セブ・ドクターズホスピタルの場所確認
まとめ:2025年のセブ島狂犬病対策
セブ島への旅行や滞在は、狂犬病という見えないリスクと隣り合わせです。しかし、正しい知識と適切な準備があれば、このリスクを最小限に抑えることができます。
2025年版対策のポイント
• 事前の情報収集と準備
• 適切な服装と行動
• 緊急時の迅速な対応(ホットライン:032-318-6507)
• セブ・ドクターズホスピタルでの確実な治療
• 年会費永年無料の楽天カードでの海外旅行保険活用
フィリピンとインドの医療現場で実際に働いた経験から言えることは、「備えあれば憂いなし」ということです。特に、年会費無料で充実した海外旅行保険が付帯する楽天カードのような準備は、万が一の時に生死を分ける可能性があります。
美しいセブ島の自然と文化を安全に楽しむために、この記事の情報を参考にしっかりと準備を整えてください。
※この記事の情報は2025年9月時点のものです。最新の情報については、外務省や厚生労働省の公式サイトもご確認ください。
参考文献・情報源
• フィリピン保健省(DOH)統計2024
• WHO Global Health Observatory data
• 厚生労働省検疫所 FORTH
• 外務省海外安全ホームページ
• 筆者の現地医療従事者経験

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