旅行会社が絶対に教えないフィリピンの真実
フィリピン・セブ島で10年ほど滞在していた時に強く感じたことがあります。それは、旅行会社や留学エージェントが「フィリピンの負の側面」をほとんど発信していないという事実です。
「ビーチがきれい」「物価が安い」「フィリピン人はフレンドリー」——確かにこれらは真実ですが、それだけではありません。実際に長期滞在してみると、事前に知っておくべき重要な情報がたくさんあることに気づきます。
本記事では、10年の在住経験をもとに、旅行会社が語らないフィリピンのリアルな実態と、その対策方法を正直にお伝えします。これから留学や移住を考えている方に、後悔しない選択をしていただくための情報です。
1. セブ島は実は「雨の島」——年間降水量の真実
「セブ島には美しいビーチがたくさんありますよ」というセールストークを何度聞いたことでしょうか。しかし、重要な事実が隠されています。
フィリピンは世界で18番目に雨が多い国です。年間降水量は非常に多く、特に雨季(6月〜11月)には連日雨が続くこともあります。
ビーチリゾートを目的に来たのに、滞在中ずっと雨だった……という話は決して珍しくありません。旅行会社は「常夏の楽園」とアピールしますが、この降水量データについてはほとんど触れないのです。
対策:乾季(12月〜5月)の渡航を選ぶ、雨季でも楽しめる屋内アクティビティをリサーチしておく、折り畳み傘やレインコートを必携にする。
2. コンドミニアムの実態——「安かろう悪かろう」の現実
ご年配の方にロングステイをすすめる会社は、よく「コンドミニアムが安い」と宣伝しています。しかし、実際に住んでいる人たちからは苦情が絶えません。
私が経験した5つのコンドミニアムの問題点
私はソリネアをはじめ、5か所ほどのコンドミニアムに住みましたが、共通する問題がありました:
- 音漏れ・騒音が酷い:隣の部屋の会話や生活音が筒抜け。深夜のパーティー騒ぎも日常茶飯事
- 雨漏り:建築品質が低く、雨季になると天井から水が滴る
- 頻繁な故障:シャワー、トイレ、照明、キッチン設備がすぐ壊れる
- 断水・停電:週に1〜2回は当たり前。予告なしの場合も多い
- 苦情対応の遅さ:管理会社に連絡しても「later, later」で放置される
家賃は「大阪並み」に高騰
さらに、最近のコンドミニアム家賃は大阪とあまり変わらない水準まで上昇しています。1ベッドルームで月3〜5万ペソ(約7〜12万円)は普通です。
もちろん、品質は大阪の賃貸と比べものになりません。ハワイのコンドミニアムを想像してはいけません。これは「フィリピン・クオリティ」です。
対策:契約前に必ず内見する、口コミを徹底的に調べる、短期契約から始める、日系不動産会社を利用する。
3. フィリピン滞在は子供に適さない環境
「親子留学」や「子連れロングステイ」という宣伝もよく見かけますが、正直に言って病原菌が多いフィリピンは子供にとって過酷です。
子供が直面する健康リスク
- 感染症リスク:抵抗力・免疫力の少ない子供はすぐに病気になります。デング熱、腸チフス、A型肝炎なども
- 頻繁な通院:病院通いが日常化し、医療費もかさみます
- 大気汚染:排気ガスで空気が汚染されており、喘息を発症する子供も少なくありません
- 衛生環境:水道水は飲めず、食中毒のリスクも高い
誘拐リスクも無視できない
さらに、フィリピンの誘拐件数は年間100件以上あることも、斡旋会社はほとんど教えてくれません。外国人や裕福に見える子供は特に標的になりやすいのです。
対策:渡航前に各種予防接種を完了させる、信頼できる小児科医を事前に確認、常に大人が付き添う、目立つ服装や持ち物は避ける。
4. 治安情報の「都合の良い部分」だけ伝える問題
旅行会社は「フィリピン人はフレンドリー」と強調しますが、スリ、置き引き、ぼったくり、強盗は日常的です。
観光地でも油断すると、スマートフォンやバッグを一瞬で盗まれます。タクシーやトライシクルでのぼったくりも横行しています。
対策:貴重品は最小限に、現金は分散して持つ、夜間の外出は避ける、Grab(配車アプリ)を利用する。
5. インフラの不安定さ——断水・停電・通信障害
日本では考えられないことですが、フィリピンでは:
- 断水:週1〜2回は当たり前、復旧に数時間〜数日かかる
- 停電:台風シーズンは特に頻繁、エアコンが使えず熱中症リスクも
- 通信障害:インターネット速度が遅く、オンライン授業やリモートワークに支障
対策:水のストック、懐中電灯・モバイルバッテリー常備、複数のSIMカード契約。
6. 医療水準の低さと高額な医療費
フィリピンの公立病院は設備が古く、待ち時間も長いです。私立病院は設備が整っていますが、医療費は日本の2〜3倍かかることもあります。
保険未加入で入院すると、数十万円の請求が来ることも珍しくありません。特に緊急手術や長期入院が必要な場合、医療費は一気に跳ね上がります。
また、日本のように国民皆保険制度がないため、医療機関によっては前払いを要求されることもあります。クレジットカードや十分な現金がないと、治療を受けられないケースさえあるのです。
対策:海外旅行保険は必須、信頼できる病院リストを作成しておく、日本語対応可能な医療機関を確認、クレジットカードと現金を十分に用意。
7. 狂犬病の恐怖——致死率ほぼ100%のリスク
医療の問題でさらに深刻なのが狂犬病のリスクです。街中には野良犬があふれており、そのほとんどが狂犬病ウイルスを保有している可能性があります。

フィリピンの狂犬病最新データ(2023-2024年)
フィリピン保健省(DOH)の最新統計によると:
- 年間死者数:約200〜300人(WHO推計ではさらに多い可能性)
- 犬咬傷事故:年間約30万件以上が報告されている
- セブ地域での発症例:年間20〜40件程度
- 発症後の致死率:ほぼ100%(治療法が確立されていない)
私が長年過ごしたセブ島では、どのエリアに行っても野良犬がうじゃうじゃいました。観光地であるマクタン島、ショッピングモールの周辺、住宅街、どこにでもいます。
狂犬病の潜伏期間と症状
狂犬病ウイルスは咬まれてから1〜3ヶ月の潜伏期間があります。初期症状は風邪に似ていますが、神経症状が現れると:
- 水を恐れる(恐水症)
- 風を恐れる(恐風症)
- 興奮状態、錯乱
- 麻痺、昏睡
これらの症状が出た時点で、ほぼ助かりません。
具体的な予防対策
渡航前の準備:
- 狂犬病ワクチンの接種(3回接種で約2〜3万円、有効期間2年)
- トラベルクリニックでの事前相談
- 海外旅行保険への加入(ワクチン接種費用もカバーされる場合あり)
滞在中の注意点:
- 野良犬には絶対に近づかない(可愛くても触らない)
- 短パンやサンダルは避け、肌の露出を最小限に
- 夜間の一人歩きは特に危険(野良犬が活発になる)
- 犬だけでなく、猫やコウモリにも注意
万が一咬まれた場合:
- すぐに傷口を石鹸と流水で15分以上洗浄
- 24時間以内に暴露後ワクチン接種(Post-Exposure Prophylaxis)を開始
- セブ市内の大病院(セブドクターズホスピタル、チョンワホスピタルなど)へ直行
- 帰国後も日本の医療機関で継続治療
安心の海外旅行保険付帯クレジットカード
狂犬病のワクチン接種や、万が一咬まれた際の治療費は高額になります。前述の通り、フィリピンの医療費は日本の2〜3倍かかることもあり、保険未加入での治療は非常に危険です。
フィリピン渡航前に海外旅行保険が自動付帯されるクレジットカードを準備しておくことを強くおすすめします。
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狂犬病だけでなく、デング熱、腸チフス、食中毒など、フィリピンでは予期せぬ病気やケガのリスクが常にあります。「保険があるから安心」という状態を作っておくことが、フィリピン滞在を楽しむための大前提です。
それでもフィリピンを選ぶ理由
ここまでネガティブな情報ばかり書いてきましたが、これらを理解した上でもフィリピンには魅力があります:
- マンツーマン英語レッスンが格安で受けられる
- 温暖な気候で冬の寒さがない
- フレンドリーな国民性(注意は必要ですが)
- 美しい自然と多様な観光地
- 日本から近い(約4〜5時間のフライト)
重要なのは、「正しい情報を知った上で、準備をして渡航すること」です。
まとめ:後悔しないフィリピン渡航のために
旅行会社や留学エージェントが教えない「フィリピンの真実」をお伝えしました。これは脅すためではなく、あなたが安全で充実した滞在をするための情報です。
10年の在住経験から言えることは、「知っていれば防げるトラブルがほとんど」だということです。
フィリピン渡航を考えている方は、ぜひこの記事の対策を実践してください。そして、海外旅行保険付帯の年会費永年無料の楽天カードのような備えも忘れずに。
正しい知識と準備があれば、フィリピンは素晴らしい経験を与えてくれる国です。安全で実りある滞在になることを願っています。


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